内部統制構築支援

 関係会社に上場企業がない場合は、内部統制監査報告制度の対象外ですが、会計監査を受嘱するにあたり、法人は最低限の内部統制の構築は必要となります。これは会計監査の実施方法が試査を採用していることに起因しています。試査とは、各証憑につき正しい会計処理かどうか、母集団から一部を抜き出して検討し、母集団全体を推測して結論を出すことを言います。例えば、委託費として処理されたもののうち、一部の証憑を拝見させていただきます。無作為で抽出した証憑が正しければ、委託費全体が正しいと判断します。
 試査を採用している理由は現代の企業及び企業環境において、取引数は膨大であり、すべての取引につき1件ずつ検証することは困難であるからです。そして、試査を前提とした監査は内部統制が有効であることが求められます。内部統制とは、不正や誤りを防ぐための仕組みのことを言います。例えば、証憑と会計処理が正しいことにつき、経理ご担当者様だけでなく、その上長様も確認しているといったことが内部統制となります。
 内部統制の構築義務は経営者にあります(注1)その内部統制には、不正や誤りを事前に防止する予防的統制、不正や誤りの発生を発見する発見的統制があります。法人内外のリスクに対して予防的統制、発見的統制を単独ないし組み合わせて、不正や誤りのリスクを低減することが必要です。
 内部統制の整備・運用はコストと効果を比較考量すべきですから、内部統制は法人の規模、取引数等によって、程度は異なります。法人規模が小さいにもかかわらず、厳しい内部統制を構築しようものなら、コストが膨大となり、法人の経営成績に重大な影響を及ぼすことが考えられます。そのため、監査を実施するうえで、ご要望がございましたら、どの程度の内部統制を構築すべきかについて、支援させていただきます。

(注1)大阪地判平成12/9/20判タ1047号86頁にて会社法362条4項の取締役会決議事項「その他の重要な業務執行」に内部統制構築が含まれるとの判断を示されました。

内部統制の目的

1.業務の有効性及び効率性を高める

   事業活動の目的の達成のために業務の有効性及び効率性を高めることにつながります。

2.事業活動に関わる法令等の遵守を促進する

   事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進することにつながります。

3.財務報告の信頼性を高める

   財務諸表および財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保することにつながり
   ます。

4.資産の保全を図る

   資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認のもとに行われるよう、資産の保全を図ることにつ
   ながります。

内部統制の整備のための作成文書(3点セット)

 業務プロセスの文書化は、部署や階層および社内外にわたって業務遂行のための共通認識を持つために有益であり、財務報告の信頼性を確保するための重要なツールとなります。

フローチャート

 各業務プロセスの各ステップを箱で表し、業務の流れをそれらの箱の間の矢印で表すことで、プロセスを可視化・表現する図です。業務フローを可視化することで業務フローの問題点・改善点を把握可能として、あるべき内部統制を構築することを可能とします。

 業務によって生じるリスクとそのリスクに対応する手段を明示した対応表を言います。これにより、リスクと業務手順を明文化・可視化し、業務手順がリスクに十分対応できているかどうかが明確となります。

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